カナダ・ウラン大手、東京電力から契約解除通知 法的措置へ

福島県にある東京電力福島第1原子力発電所(2016年2月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/TORU YAMANAKA〔AFPBB News

 間もなく東日本大震災から6年がたつ。震災の傷は癒えつつあるが、福島第一原発事故で今なお約9万人の避難者が帰宅できない。他の地域に移った子供は「放射能いじめ」にあうという。最近マスコミはその報道に熱心だが、6年前に彼らがどういう報道をしたか、覚えているだろうか。

『AERA』は2011年3月28日号の「放射能がくる」という全ページ特集で「首都圏が放射能で壊滅する」と報道し、朝日新聞の「プロメテウスの罠」という長期連載では「原発事故で鼻血が出た」という類の放射能デマを執拗に繰り返した。この6年は、日本人がいかにマスコミの「空気」に弱いかを示した。

「原発の運転資格」を否定する朝日新聞

 朝日新聞3月2日の社説は「東電と原発 運転する資格があるか」と題して、東京電力の柏崎刈羽原発で重要施設の耐震性不足が明らかになった問題について「不都合な情報を軽んじたり、対応が遅れたりする会社に、原発を運転する資格はない」と断じている。

 原発に「運転資格」があるのだろうか。電力事業者には資格が必要だが、東電はそれを満たしている。これは原子力規制委員会の安全審査をめぐって東電の報告に不備があったという話で、運転とは関係ない。もちろん朝日新聞に資格認定する権限はない。

 福島事故のあとも、他の原発は通常通り運転していた。それを止めたのは、2011年5月の菅直人首相の浜岡原発についての「お願い」である。これには法的根拠はなかったが、その後も定期検査で止まった原発の運転を民主党政権が認めなかったため、全国の原発がほとんど止まったままだ。

 朝日新聞は「再稼働に慎重な米山隆一・新潟県知事は、東電への不信感をあらわにした」と書いているが、知事に再稼動を認可する権限はない。立地するときは、地元の県知事や市町村長の許可が必要だが、運転に許可は必要ない。