自動運転の先行者利益を狙う日産。横浜本社で、新型「セレナ」を使った「同一車線・自動運転」の体験試乗を実施している。(資料写真、筆者撮影)

 日本の「自動運転」開発がごちゃごちゃの状態になっている。政界、官庁や業界の思惑が入り乱れ、また、さまざまな団体、協議会が並び立ち、ほとんど収集がつかなくなっているのだ。

 まず、日本の自動運転開発の旗振り役の1つが経済産業省である。経済産業省には経済産業大臣の諮問機関「産業構造審議会」が設置され、テーマの1つとして自動運転技術の実現までのロードマップや課題が話し合われている。

 2016年9月13日、産業構造審議会の第9回新産業構造部会が開催され、自動運転を含む「新産業構造ビジョンの今後」について討議された。この討議では、完全自動運転の実用化について「当初見込みの2025年から前倒しするべきだ」との声が上がった。

 この日は、「戦略分野『移動する』」について、DeNAの南場智子・取締役会長と、楽天の安藤公二・常務執行役員によるプレゼンも行われた。DeNAは自動運転技術の開発に取り組んでおり、南場会長は「人の移動(自動走行等)」をテーマにプレゼン。楽天の安藤常務は「物の移動(ドローン等)」について、楽天の取り組みを紹介した。

今年7月、千葉県幕張のイオンモールで行われた、DeNAによる完全自動運転の実証試験。