仏トラック突入事件、監視カメラ映像消去を警察が要請

84人が死亡したトラック突入事件が起きた仏ニースの海岸沿いの遊歩道、プロムナード・デザングレ前のビーチでくつろぐ人々(2016年7月16日撮影)〔AFPBB News

 今日は8月15日、終戦記念日ですので、ELSIの話題が戦争(の回避)とどれだけ深く関わっているかという橋渡しの内容を記しましょう。

 先週の8月9日、東京大学の安田講堂で行った長崎原爆忌「火垂るの墓」上映と演奏、ラウンドテーブルの「哲学熟議・哲楽遊戯」に多くのご参加をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

 このような場、学外での演奏も含め、より拡充していく考えです。どうか引き続きよろしくご支援いただけますようお願いいたします。

 さて、ライブの場では私は音楽家としてのみの行動ですが、それとこの連載で扱う内容とが表裏一体であることは、少し丁寧に記さないと分かりにくいかもしれません。

 安田講堂でも金子兜太さん、高畑勲さんも話しておられた通り、私たち日本人はおっちょこちょいであり、軽率にノリに任せて限度というものをわきまえず、何となく進んでしまうところがある。

 では、そういうノリで東アジアが再び全面戦争に突入してしまうか、と問われると、私個人はあまりそういう可能性は高いと思っていません。

 では戦争は起きないのか・・・?

 いやそうではない。戦闘とも冷戦とも違う、「別の戦争」が起き得るし、と言うより既に起きていると言っていいのかもしれない。

 その背景にはGPSという技術が深く関わっています。今回は両者をつなぐ議論を記しておきましょう。なお、ポケなんとかというゲーム名は、議論とかみ合うところがないので、タイトルに記さないよう、編集部にはお願いしました。

21世紀型のテロとGPS

 7月のニース、3月のブリュッセル空港、昨年11月のパリ。欧州の生活実感として「テロ」は既にかなり身近なものになってしまいました。

 8月第1週、夏休みのベルリンで市が立ち、アレクサンダー広場など人々の集まる場所には子供向けの遊具や縁日、小劇場の小屋掛けなどがならびましたが、ポケモンGOなどARゲームに興じる人は全く見かけませんでした。

 個人的には、昔ながらの風景の夏休みに心和らぐ気がしたのですが、ドイツ人の友人とその種の話をしたとき「下手に目立つことがあって、おかしな標的にされては堪らない、という考えがあるのかもしれない」と反応され、安易な自分の思考停止に冷や水を浴びせかけられ恐縮せざるを得ませんでした。

 ドイツでは先月もミュンヘンのショッピングセンターで大量殺人事件が発生したばかりで、特に子供を持つ親の生活実感として、不安要素は極力避けねばという暗黙の前提があります。

 ミュンヘンの事件もそうでしたが、必ずしも組織的、政治的な背景がなくとも、日常生活と突発的危険事態との間に境目が判然としない。

 これは相模原の事件も並行して話題に上りました。親としては、例えば登下校中の子供の安全を考え、理由が政治的であろうと、個人の犯罪であろうと、事件や事故に巻き込まれないことが重要であって、それに結びつき得る要素は極力排除したい。

 タクシーを呼ぶようなアプリケーションでも、ゲームとして遊ぶのでも、目的用途の別は問わない。小さな子供がどこにいるかの位置情報、親としては安全が確保される範囲であれば把握したいし、見ず知らずの人間が容易にそれを知ってしまうようなシステムは絶対に排除したい。

 で、そこでの結論としては「子供と手をつないでの送り迎え」「見知らぬ第三者が介入し得るあらゆる情報メディアと子供とのプラグオフ」が無難という、平凡かもしれませんが古典的な解決が現状では一番確かなのではという話になりました。