複数の海外メディアの報道によると、米アップルはマシンラーニング(機械学習)やAI(人工知能)の技術を手がける、トゥリ(Turi)という米シアトルの新興企業を買収したという。
買収金額は約200億円
シアトルのテクノロジーニュースサイト、ギークワイヤー(GeekWire)によると買収金額は2億ドル(約204億円)。
アップルはこの買収について正式な声明を出しておらず、メディア取材に対しての返答はいつものとおり、「我々は時折、規模の小さな技術企業を買収するが、多くの場合その目的や計画については述べない」というもの。
だが、これはいつものとおり買収の事実を認めたも同然の返答だと米アップルインサイダーの記事は伝えている。
米ウォールストリート・ジャーナルなどによると、アップルが今回買収したとされるトゥリは、かつて「Dato」や「GraphLab」の名称で知られていた企業。
最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゲストリン氏は、米アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾスCEOの寄付によって設けられた、ワシントン大学のマシンラーニング教授職に就いた人物。同氏はコンピュータ科学・エンジニアリングの准教授でもあるという。
そして同社は企業などがマシンラーニングのアプリケーションを開発できるようにするソフトウエアプラットフォームを提供している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、これはコンピュータが明確なプログラム命令を必要とすることなく、大量のデータを基に推測し自ら学習するソフトウエアを作るための技術。
「Siri」「Apple Music」「App Store」に生かす?
アップルインサイダーによると、トゥリはこのほか、レコメンデーション(推奨)エンジン、感情分析、解約予測、クリックスルー予測などに使うソフトウエアを手がけている。
いずれもアップルにとって重要と考えられる技術で、同社はこれらを、音声アシスタントサービスの「Siri」や定額制の音楽配信サービス「Apple Music」、アプリ配信サービス「App Store」などに利用する可能性があるとアップルインサイダーは伝えている。