フランス革命記念日の7月14日、南仏ニースの遊歩道でトラックが花火の見物客に突入、児童10人を含む84人が死亡し、202人が重軽傷を負った。
このテロを受けて、7月20日、フランスの国民議会が「非常事態宣言の6カ月延長」を賛成多数で可決した。
「非常事態宣言」は、2015年11月15日のパリ同時テロ直後に発令された。当初は12日間だったが、その後、3か月ごとに延長された。フランソワ・オランド大統領は、7月14日午後1時から革命記念日の恒例となっているテレビ会見に臨み、「7月26日に非常事態宣言を終了する」と宣言したところだった。まさに舌の根も乾かないうちの前言撤回となってしまった。
「政府は何をやっているのか」
今回のトラック突入テロでは、「イスラム国(IS)」が犯行声明を出すまで、テロ犯のモハメド・ラフエジブフレル(31歳)はISとの関連は薄いと見られていた。
モハメドはチュニジア出身で、数年前にニースに移り住んだ。チュニジア系フランス人の妻との間に3児を設けたが、離婚した。仕事は小型トラックでの配送だった。信仰心は薄く、ショートパンツを愛用し、飲酒の習慣があり、モスクへの出入りもなく、ラマダン(イスラム教徒の断食期間)も実行していなかったという。