核のない世界へ「広島宣言」採択 G7外相会合が閉幕

広島の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花したのち写真撮影に臨む(後列左から)松井一實・広島市長、フェデリカ・モゲリーニEU外交安全保障上級代表、カナダのステファン・ディオン外相、フィリップ・ハモンド英外相、ジョン・ケリー米国務長官、岸田文雄外相、フランクワルター・シュタインマイヤー独外相、パオロ・ジェンティローニ伊外相、ジャンマルク・エロー仏外相、湯崎英彦・広島県知事(2016年4月11日撮影)。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA〔AFPBB News

 オバマ米大統領が広島訪問を検討していることが伝えられ、原爆投下をめぐる議論が改めて国際的に浮上している。その中で、4月中旬にG7(主要7カ国)外相が広島市で採択した「広島宣言」を日本外務省が意図的に誤訳したことが、ゆがんだ影を広げ始めた。

 広島宣言はもともと英文で発表された。外務省によるその日本語訳を読むと、各国外相が広島や長崎への原爆投下を「非人間的」な行為として認めたかのように読める。だが、原文はそんなことは述べていないのだ。

 この誤訳はすでに一部のメディアで提起されたが、外務省側は認めようとせず、訂正していない。誤訳をそのまま公式サイトに乗せ、声明の内容として伝えているのだ。

 英語の「human」は言うまでもなく「人間の」とか「人間的」という意味である。だが、日本の外務省はこの言葉を「非人間的」という正反対の意味の日本語に訳している。