この冬ハノイを訪ねるチャンスがあった。ハノイ周辺の農村の視察が目的だったが、そこで見聞きしたことを伝えたい。
ベトナムの1人当たりGDPは約2000ドルをやや上回った水準で、中国の約4分の1。やっと低所得国を脱したが、まだ貧しい。だが、その農村風景は中国とそれほど変わらにないどころか、中国より豊かに見えた。
このところ、ベトナムは年6%程度の順調な経済成長を続けている。次の10年でその姿は大きく変貌しよう。
日本の農村を思わせる風景
ハノイの冬は寒い。寒いとは聞いていたもの南国とのイメージがありTシャツを用意して行ったが、Tシャツを着るチャンスはなかった。コートが必要なほどではないが、冬服でちょうどよい。
農村視察ではハノイを流れる紅河に沿って北西方向に車で向かった。ハノイ中心部から約150キロメートル離れた農村を視察したが、意外に開発が進んでいるのには驚いた。
下の写真1は農村の溜池を写したもの。その前にある道路がきれいに舗装されている。筆者は多くの途上国を訪ねたが、幹線から外れた農村の道路がこのよういにきれいに舗装されている姿を見たことはない。緑が多いこともあって、なかなか落ち着いた風景である。日本の農村に似ていると思った。
そして冒頭の写真は、この村で見つけた商店だ。さほど多くの物は売っていなかったが、その店先はこぎれいである。右奥に黄色いスクーターが写っている。庭に置いた鉢植えなどもよく手入れされており、生活に余裕を感じた。
ベトナムでは共産党独裁が続いている。政治体制は中国に似ている。しかし、政策は大きく異なるようだ。