今年は申年。ということで、新年第1回は、サルにまつわる申年生まれの傑作、1968年4月、日本公開となったSF映画2本から。
まずは、『2001年宇宙の旅』。冒頭、リヒャルト・ストラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」の荘厳なる響きに続き映し出される「人類の夜明け」。
初期人類の姿は類人猿(エイプ)に近い。そこには謎の石板様物体モノリスがある。道具を得、争い、投げ出された骨が、宇宙船へと変わる。
400万年前、埋められたと思われるモノリスが月で発掘、強力な信号を発している。木星に向かう宇宙船ディスカバリー号で起こる人工知能HAL9000の人間への反乱。1人生き残る宇宙飛行士。現れるモノリス。ラストにまで続く幻想的映像。
SF映画の金字塔
大宇宙への思いはもとより、人類の進化、生命、存在、といった根源的なことを考えさせ、永劫回帰など、哲学的、宗教的思考をも呼び覚まし、様々な解釈が成立し得る、この映画への評価は、公開当初、賛否両論、「何を言いたいのか分からない」との否定的意見も少なくなかった。
いま、SF映画の金字塔との評価は不動である。
数週間後、『猿の惑星』公開。光速航行する宇宙船が18か月、地球では2000年の時を経て、たどり着いたのは、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンといった類人猿に、口をきかなくなったヒトが支配されている惑星。
チャールトン・ヘストン演じる宇宙飛行士テイラーは、虐待を逃れ、「禁断の地」に向かう。そして目にしたのは、そこが荒廃した未来の地球であることを示すものだった・・・。
人類の進化とは、人間とは、時間とは。そんなことを、より直接的に考えさせられるこの映画は大ヒット。すぐさま続編が製作された。
そして、テイラーのその後を語る『続 猿の惑星』(1970)で、地下に蠢くミュータントと、戦争にはやるゴリラ軍との戦いのなか、核ミサイルが使われ、地球は終る。