中国で軍事施設に接近して写真撮影したということで4人の日本人が拘束されていますが、事実関係がはっきりしないうちは、私はこの問題を尖閣問題と結びつけて考えるべきではないと思います。
この問題はこの問題として、外交ルートを通じた邦人保護の観点できちっと対応することが必要です。
日中の間では経済の相互依存関係が進んでおり、文化的にも私たちは中国から大きな恩恵を受けている。なおかつ日中友好というのは日本の安全保障、ひいてはアジアや世界の安全保障にとっても極めて重要です。
これからも日中友好を推進するという観点で様々な取り組みをしていかなければなりません。そのためには、政治家同士の交流、文化的な交流、さらに青年の交流が非常に大事になります。
沖縄基地問題は、一度白紙に戻すくらいの決意で沖縄県民と対話を
(撮影・前田せいめい)
沖縄問題は、普天間基地の危険性をどう除去するかが一番の課題だと思います。問題解決に時間がかかればかかるほど普天間の危険が続くことになります。
我々は与党の時代から日米交渉をずっとやってきて、辺野古沖に移転することで合意しました。地元沖縄の一定の理解も得られたということで案が決まったわけです。
その後、鳩山さんが「少なくとも県外」とおっしゃり、沖縄のみなさんも期待したが、できなかった。今は沖縄県民の理解を得られる状況にはありません。
私は普天間基地の海兵隊が日本の安全保障にとって極めて大きな役割を果たしていることを前提にしながらも、普天間の危険を早く除去するためにもう一回、虚心坦懐に、それこそ白紙に戻すくらいの決意で沖縄県民と率直に対話すること、あらゆる可能性をもう一回ゼロベースで検討することも必要になってくるのではないかと思っています。
結論を出すには時間がかかると思いますが、その間に普天間の危険を除去できることがいくつかあります。
例えば訓練基地を分散するとか、様々な手立てを一つひとつ協議と並行しながらやっていくことが大事であり、それが沖縄県民に対するメッセージになるのではないかと思います。
