企業に入社しその仕事を教えられ、専門性を極める。ある年齢以降にそのスキルを持って何か世に還すような仕事に巡り合えれば望ましい。
さて、そういう人生の変遷の中で、その人の持てるポテンシャルをいかんなく発揮し、ますます伸びる人と、そうでない人がいる。
自分を含め大半が後者に属するのだが、その差は何なのだろう、と以前から気になっていた。私見ではあるが、私はその秘密が「第三教育」に潜んでいるのではないか? と最近思っている。では、第三教育とは何か。
第三教育とは何か
第一教育とは、人から教わること。第ニ教育とは、人に教えること。第三教育とは、自分で自分を教育すること。すなわち「学ぶ」ということだ。
これは、かなり昔、前職のIT企業時代に上司から言われた言葉で、一般用語ではない。自身の仕事に関連することを学ぶのはむしろ当たり前である。もっと広い一般教養分野を継続的に学ぶ蓄積が重要なのだ。
仕事の関連書物を読むのでさえ、インターネットの情報で手軽に済ませてしまいがちな世相である。まして継続的に広く一般教養を学び続けることは容易なことではない。
一般教養とは、政治、経済、歴史、科学、文芸・文化、スポーツ、趣味、健康など多岐にわたる。そこには、これからの時代の変化を読み解くヒントが満載であり、ある特定の仕事に関する分野の知識・経験がいかに狭いものかを思い知らされる。この歳になってこの「第三教育」という言葉の重みが分かってきたような気がする。