パパイヤの果実に産卵中のミカンコミバエ(出所:ウィキメディア・コモンズ)

 今年、日本とアメリカは、突如現れた侵略者と戦うことになりました。敵の名は「ミカンコミバエ」です。

 その名の通り、主にミカンなどの柑橘類や野菜につく害虫で、このハエが作物に産卵し、幼虫が寄生すると果実を食べ、食害された果実は腐敗して商品価値がなくなってしまいます。

 もともと東南アジアに生息している虫ですが、グローバルに人やモノが行き交うようになった結果、日本やアメリカにも上陸してきたわけです。

かつて沖縄と奄美に定着していたミカンコミバエ

 ミカンコミバエが発見された奄美大島では、農林水産省と鹿児島県がポンカンなど果物の島外への出荷を制限し、廃棄処分とする方針を定めました(参考「奄美大島全域タンカン等移動禁止へ」奄美新聞)。

 アメリカではもっと大事になっていて、発見されたフロリダ州で州政府が非常事態宣言を出し、生息地域とみられる220ヘクタールの地域から出荷される作物は全て廃棄処分にしています。