衆議院本会議、安保法案を可決 国民に怒り広がる

東京の国会議事堂前で開かれた安全保障関連法案に抗議するデモ。若者の参加も多かった(2015年7月15日撮影)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 安倍晋三政権の安保関連法案を契機に、若者層の政治に対する関心が高まっている。

 大学生を中心とした20代前半の若者たちで組織されたSEALDs(シールズ)という団体が、安保関連法案に反対してデモ活動など抗議行動を行い、注目を浴びている。さらに、これに触発されるように、T-ns SOWL(ティーンズソウル)という高校生を中心とした組織も同法案反対に立ち上がった。

世界的には「18歳以上」の選挙権が当たり前

 こうした若者層の動きとは対照的に、政治の動きは緩慢だ。確かに、2014年6月20日には憲法改正の是非を問う国民投票法が改正され、2018年から国民投票に参加できる年齢が18歳以上に引き下げられた。また、今年は選挙権年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法等改正案が6月17日に成立、同19日に公布された。

 選挙権年齢の引き下げは、1945年に25歳以上から現在の20歳以上に引き下げられて以来、「70年ぶりの改革」と安倍政権は自画自賛する。

 だが何のことはない、改正の大きな理由は、(1)諸外国では「18歳以上」の選挙年齢が多い、(2)少子高齢化という人口構造の変化から、若者層の政治参加を促す必要がある―─という2つである。

「18歳以上」という点について言えば、国立国会図書館の調べによると世界191カ国の国と地域で、選挙権年齢が18歳以上となっているのは176で、92%にものぼる。