大手製粉メーカー各社は2015年6月から業務用小麦粉の値上げを実施した。7月には家庭用小麦の値上げも控えている。昨年末からの急激な円安の影響や、世界的な食料の需要増加で、輸入小麦の価格が高騰したためだ。輸入小麦の値上げはどんな影響を及ぼすのか。近年、需要が伸びつつある国産小麦を見ながら、今後の小麦の動きについて探ってみたい。

小麦粉の値上げはパンなど2次加工品に波及

 日清製粉など大手製粉メーカーは2015年6月19日出荷分から業務用小麦粉を値上げした。パン向けの強力粉を25キログラムあたり45円、うどん・菓子向けの中力粉・薄力粉を同125円、国内産小麦は同65円、値上げした。

 7月からは家庭用小麦粉やパスタなどの小麦粉2次加工品も値上げされる。以下に、日清製粉など3つの製粉メーカーが発表した内容を示す。

小麦粉二次加工品の値上げ状況(参考:インターネット資料より筆者作成)

 製粉メーカーの値上げの理由として、2015年4月1日より輸入小麦の政府売渡価格が引き上げられたこと、パスタの原料となるデュラム小麦の価格が上昇したこと、電力料などのコストが増えたことなどが挙げられている。