マレーシア警察、人身売買組織施設の埋葬地掘り起こし作業を開始

マレーシア北部ペルリス州のジャングルで見つかった人身売買組織の収容施設(2015年5月26日撮影)〔AFPBB News

 ミャンマーのイスラム系、少数派民族・ロヒンギャ族が難民化している密航船漂流問題は、“アジア最後のフロンティア”が抱える複雑な少数民族問題が、民主化や経済成長発展をも阻む今後の火種であることを露呈した。

 それだけでなく、長年、疑惑を指摘されながらもその実態が不明だったタイやマレーシアなど東南アジアに蔓延る人身売買シンジケートの隠された正体を暴き始めている。

 難民問題は人道・人権問題と政治問題が深く絡み遭う極めて複雑な問題だ。すでに、欧州では「EU難民」など域内全体の最大懸案事項にまで発展している。

 ナチスドイツによるユダヤ人虐殺など第2次世界大戦後の後遺症をいまだ引きずる歴史的過去に加え、ロヒンギャ族への支援を打ち出すイスラム過激派との関与を憂慮する背景から、「難民問題は対岸の火事」と捉えがちな日本とは比較にならないほど関心が高まっている。

 当事国の東南アジア諸国連合(ASEAN)、国連機関のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所) などの専門機関、さらには日米やスイスなどがオブザーバーとして出席、17カ国の関連諸国がロヒンギャ難民の支援対策を協議した5月29日の国際会議(バンコク)に合わせ、実はノルウエー・オスロのノーベル研究所(ノーベル委員会の学術機関)がロヒンギャ族大虐殺を阻止するための国際会議と銘打って、「オスロ会議」を26日から28日まで開催した。

ソロス氏もミャンマー政府を非難

 英オックスフォード大学や米ハーバード大学も共催する中、有識者をはじめ、ノルウエーのモートン・ホグルンド外相、クェル・マニェ・ボンデヴィック前首相、さらには、1997年のアジア通貨危機を巡って、激しく対立した著名投資家のジョージ・ソロス氏と「投機は犯罪で、投機家は人種差別主義者」とソロス氏を厳しく非難したマレーシアのマハティール元首相ら同床異夢の2人も出席した。

 ソロス氏はミャンマーで通信事業に投資し、自身の慈善財団オープン・ソサエティーを通じ、ミャンマー関連のプロジェクトに加えて反政府組織に対しても毎年約200万ドル(約2億4800万円)以上の資金を提供してきた。同財団の公式サイトではミャンマー政府を公然と批判している

 民主化運動指導者で最大野党の国民民主連盟(NLD)の党首、アウンサンスーチー氏とも知己の仲で、ゆえに同政府のブラックリストに挙げられている存在だ。

 もともとハンガリー出身のユダヤ系米国人でナチスの迫害を逃れ、米国に渡ってきた経緯から、会議では「ナチスが掌握するブタペストで、私もロヒンギャだった。ミャンマー政府は民政移管の下、ムスリム人の民族浄化を進めている。幸運にも大虐殺にはいまだ至っていないが、ユダヤ人大虐殺を忘れてはならない」とミャンマー政府を痛烈に批判した。