8月25日に発表された米7月の耐久財受注は、表面的な数字とは裏腹に、悪い内容だった。総額は前月比+0.3%で、3カ月ぶりの増加。ただしこの統計は、値段が高い航空機の受注の増減によって振り回されやすい。そこで、除く輸送機器ベースで見ると、7月は前月比▲3.8%で、3カ月ぶりの減少。さらに、設備投資の先行指標である非国防資本財受注(除く航空機)を見ると、今回の数字は前月比▲8.0%。3カ月ぶりの減少で、2009年1月に同▲9.9%を記録して以来の大きなマイナス幅になった。

 上記の数字はあくまでも速報ベースであり、今後何度も改定されていくことになるので断定的なことは言えないが、米企業のマインドが7月時点でかなりの変調を来したのではないかと考えられる。

 そうした推測を裏付ける統計が、チーフエグゼクティブマガジンがインターネット上で毎月公表している、米企業最高経営責任者(CEO)の信頼感指数である。この指数の7月分は79.8で、前月比26.5ポイントの急落。昨年11月(76.2)以来の低水準となった。チーフエグゼクティブマガジンは記事の見出しで、「ドラマティックな急低下」と形容した。

 内訳となっている5つの指数を見ても、企業のマインドは7月に全面的に悪化。現況信頼感指数、将来信頼感指数、ビジネスコンディション指数、投資信頼感指数、雇用信頼感指数が、いずれも大幅に下がった。雇用信頼感指数の急低下は、雇用統計における民間部門雇用者数の伸び悩みと整合的である。