本記事は1月7日付フィスコ企業調査レポート(ハピネット)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
寺島 昇
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玩具事業とアミューズメント事業の好調で大幅増益を継続

 ハピネット<7552>の主要事業は、玩具や映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハードとソフト)、アミューズメント商品等の卸売りである。仕入れ先約700社、販売先約1,500社と取引のある業界トップクラスの企業である。バンダイナムコホールディングス<7832>の関連会社だが、バンダイ以外の製品も幅広く取り扱っている。

 2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高93,437百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益2,362百万円(同52.3%増)、経常利益2,413百万円(同52.8%増)、四半期純利益1,814百万円(同31.9%増)となった。バンダイのキャラクター商品である「妖怪ウォッチ」などのヒットを受け、玩具事業やアミューズメント事業の好調により大幅増益となった。

 2015年3月通期業績は期初予想から上方修正され、売上高215,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益5,000百万円(同28.6%増)、経常利益5,000百万円(同27.6%増)、当期純利益3,500百万円(同41.9%増)が予想されているが、最大の商機である年末商戦の動向次第では、更なる上方修正の可能性もありそうだ。

 中長期的には、少子化による玩具市場やゲーム市場の縮小、ネット配信による映像音楽市場の縮小が予想されるなかで、同社はすべての取扱商品でNo.1シェアを目指す計画だ。バンダイナムコグループの一員として、また上場企業としての信用力や資金力を背景に計画を実現する可能は高く、勝ち組としての同社の今後に注目する必要がありそうだ。

Check Point

●バンダイナムコグループ、玩具中間流通業界の最大手に
●「妖怪ウォッチ」の大ヒットで大幅な増収増益
●キャラクター関連好調で通期も大幅増益を目指す

会社概要

バンダイナムコグループ、玩具中間流通業界の最大手に

(1)会社沿革

 バンダイを退社した河合洋(かわいひろし)氏(同社最高顧問)が1969年に個人商店として創業した「トウショウ」が同社の前身である。その後1991年に玩具卸2社を吸収合併して商号を株式会社ハピネットに変更、1994年にはバンダイの関連会社となり、さらに同年に初めて「PlayStation(プレイステーション)」「セガサターン」の取扱いを開始してゲーム業界へ参入した。

 1999年にはDVD卸会社を子会社化して映像業界に参入、2001〜2002年には玩具卸2社の子会社化や営業譲受で玩具業界での販社の地位を確立した。現在、同社は玩具業界最大手のバンダイの最大の卸会社となっている。さらに2007年にはカプセル玩具卸2社を子会社化することでカプセル玩具ベンダーのトップとなり、2009年にはCD・DVD卸会社を子会社化することで音楽業界への参入も果たした。また2013年にはゲーム卸大手を子会社化してゲーム業界でのシェアを大幅に拡大している。

 この間、株式については1997年に店頭公開(現東京証券取引所JASDAQ市場)、1998年に東京証券取引所市場二部上場、2000年には同市場一部上場を果たしている。なお2014年9月末現在、バンダイナムコホールディングスが筆頭株主として、588.3万株(所有比率24.46%)を保有している。