本記事は2014年12月29日付フィスコ企業調査レポート(アールシーコア)を転載したものです。
執筆 スプリングキャピタル株式会社 リサーチアナリスト 井上 哲男
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下期は積極的な戦略的費用の投下を見込む前提で、営業・経常利益を修正せず
株式会社アールシーコア(以下「RCC社」、「同社」)はログハウス、木をふんだんに使用した自然派住宅の製造、販売を行う。会社設立は1985年。翌年からログハウスの輸入・販売を手掛け、1989年からはログハウス以外の一般住宅にも進出。現在の商品ラインナップはログハウス5シリーズ、ログハウス以外の住宅(「エポックス」)3シリーズ。商品ブランド名は「BESS」。ログハウスの国内シェアは2013年度ベースで約半数を占めている。また、同社の商品は外観等から別荘向けと思われがちであるが、2013年度の同社集計で住宅用途が94%を占める。
同社は今期、2017年3月までの中期5カ年計画「“異端でメジャー”ステージアップ5ヵ年計画」の折り返しとなる3期目を迎えている。具体的な最終目標は「連結売上高180億円、営業利益率8%、ROE18%」。計画遂行の為の体制として、展示場数50拠点、営業員数250名、前提条件として展示場新規来場者数3万3千件、契約棟数1,900棟を掲げているが、営業員数が目標達成のための巡航値を大きく下回った状態で推移している。
5月15日に発表した2013年度決算は、売上高が2期連続、営業利益も3期連続で過去最高を更新し、売上高営業利益率も7.4%と同業平均の5.8%を1.6%pt程度上回ったが、今期見込みについては、戦略的な費用の投下を要因として、売上高は5.1%の増収ながら営業利益については△67.0%の大幅な減益見込みとした。11月13日の第2四半期決算発表時に最終利益を従来の180百万円から240百万円に上方修正したが、これは海外子会社の売却による影響と説明している。
スプリングキャピタル社(以下、「SC社」)は、今期の同社経営指標に関する計数的な予想を立てていない。これは、消費増税後という特殊な環境下であること、今期の利益水準が、投下する戦略的な費用の実現状況により大きく変化することを理由としている。
このレポートは、2013年度決算及び2014年度見込みの発表を受けて2014年8月8日に発行されたイニシャル・レポート(以下、「Iレポート」)のフォロ-・レポート(以下、「本レポート」)である。
本レポートは、同社が2014年11月13日に第2四半期の決算発表を行ったことを受けて作成するものであり、その目的は決算内容に対するアナリストの評価及びIレポート発表後の同社の事業活動の報告である。同社に関する、沿革、事業内容等の詳細な定性情報、及び、過年度決算分析、過年度決算の同業他社比較などの記述は、本レポートにおいて最小限にとどめており、詳細な内容はIレポートをご参照頂きたい。
-第1部- 定性情報
グループ会社
第2四半期終了時点でのグループ会社は、RCC社、BP社(同社の100%子会社)、カナダのBIG FOOT MANUFACTURING INC.(同社の100%子会社)(以下「BFM社」)の3社であるが、11月13日の第2四半期決算短信において、BFM社の全株式を今期中にカナダのログハウス事業会社に譲渡することで合意したことを発表した。
BP社はかつて地区販社でその後経営不振となった札幌地区、岐阜地区の経営を引き継いでおり、2013年度より黒字化している。
事業内容
「BESS」の単一事業としているが、具体的には「BESS」ブランドに関わる事業、山中湖にRCC社が保有するタイムシェア別荘(フェザント山中湖)の販売・運営管理、(連結子会社から外れる)BFM社による北米事業に分けられる。売上高に占める構成は「BESS」ブランドに関わる事業が98%程度を占めている。
セグメント
単一事業である「BESS事業」を4つの部門に区分して売上高を開示している。