「誰にも書けない」アイドル論』(クリス松村著、小学館新書、740円・税別)

 大の音楽好きで知られる、タレントのクリス松村さんが、今年、独自の視点からアイドル論をまとめた(『「誰にも書けない」アイドル論』、小学館新書)。

 クリスさんは、1970年代に山口百恵やキャンディーズなどの曲に出合って以来、アイドルを応援し続けて、その変遷をずっと見守ってきた。

 本書でも随所に70~80年代に輝きを放ったアイドルへの深い愛を語りつつ、ともすれば売り上げ至上主義に陥りやすい昨今のアイドル業界についても言及している。

 アイドルのあるべき姿は、いかなるものか。ご本人に話をうかがった。

アイドルは「お人形さんでいい」

──アイドルが輝いていた時代を、71年から89年までと限定されていますね。

クリス松村氏(以下、敬称略) もちろん今でもアイドルはたくさんいますけど、私が、この本でアイドルとして取り上げたかったのが、主に70~80年代に活躍された方々ということです。彼女たち、あるいは彼らのほとんどは、ソロの歌手です。グループといっても、せいぜいキャンディーズやピンク・レディーのように2~3人までで、メンバーそれぞれが個性を放っています。