中国国内で大規模災害・事故が続発している。過去1カ月だけでも、7月16日に大連の石油送油管爆発、28日に南京市内のガス爆発、31日に山西省と黒龍江省で炭鉱爆発・浸水、さらに、8月8日には甘粛省チベット地区で土石流事故が発生した。

 悲しいかな、もうこの種の事件・事故には驚かない。あまりにも件数が多いからだ。そんな中、事件・事故関連で驚くべきニュースを2つ見つけた。今回は中国株式会社の「広報宣伝活動」の実態について書いてみよう。

地方党幹部の大失態

中国甘粛省で土石流、死者100人以上 1300人不明

8月8日、中国・甘粛省甘南チベット族自治州舟曲県で発生した土石流〔AFPBB News

 ニュースを読んでまず驚いたのは、共産党幹部のメディアセンスのなさだ。さすがに北京、上海などにいる党幹部のメディア対応は近年かなり洗練されてきた。

 だが、ちょっと地方に行けば、報道関係者に対する「とんでもない」言動が今も堂々とまかり通っているようだ。

 「事件」は7月28日、大規模なガス爆発があった江蘇省南京市内の住宅密集地域で起きた。以下は事故発生後に江蘇省テレビ局が行った生中継の1コマである。王吉強なる記者が江蘇省の共産党中堅官僚と何やら言い争っている。

官吏:これはどの社だ? 君はどこの社の者だ?
(官员:这个是哪里的? 你这是哪里的?)

王吉強記者:申し訳ありませんが、生放送中なんです。すいません。
(王吉强:对不起,我们在直播,不好意思。)

官吏:江蘇テレビか、その電話をよこせ。誰が君に生放送させたんだ?
(官员:江苏卫视的,你把电话给我,哪个让你直播的? )

記者:あそこに新華社の記者がいますよ。向こうには行かないのですか?
(王吉强:新华社记者在那边,要不您去找他?)

官吏:いや、いや・・・。
(官员:不,不・・・)

記者(マイクに向かって):もしもし、中継は終了です、よろしいですか?
(王吉强(对着话筒):喂,喂,我们信号断了好吗?)

(生中継終了)

スタジオ:はい、はい、ありがとうございました。現場からの報道は王吉強でした。省市指導者が現場で指揮・対応する模様をご覧いただきました。

(主持人:好的,好的。非常感谢王吉强从现场发回的报道。我们看到省市领导正在现场做指挥和安排。)