G20 eトレード準備度指数の投資環境のカテゴリーでは、マクロ経済の安定と政治の安定のほか、例えば人口、年齢中央値、教育といった人口動態上の要因など、ある国に投資することに伴うリスクとリターンに影響を及ぼす要因を計測している。
技術と中小企業の役割を強調するため、ICT投資と、起業家の融資の受けやすさも含まれている。
このカテゴリーで上位につけた国々は、技術投資額が大きく、規模が大きく、若いうえに拡大している中間層を抱え、起業家精神に富んだベンチャーに対してオープンだという特徴がある。
特に新興国では、手頃な融資に対するアクセスが中小企業が成長するうえで大きな制約となっている。国際的な金融機関である国際金融公社(IFC)によると、中小企業は大企業よりも内部金融に頼る傾向があり、低所得国では、小企業が銀行融資を受けられる確率は大企業の半分程度だという。
eトレード準備度に照らしてみると、これは中小企業に小規模融資を行う公的、私的な取り組みが必要であることを示唆している。
投資環境のカテゴリーでは、消費者主導の経済、ICT投資の水準、そして新規事業に適した環境に基づき、米国が1位の座を獲得した。これらの分野での強みが、政治的、マクロ経済的安定性の弱みを補い、首位につけた格好だ。
中国は、増加する中間層の規模、多額の対内FDI(外国直接投資)、そして通信インフラへの支出のおかげで2位につけている。国際電気通信連合(ITU)の2013年版ICT発展指数データベースによると、2011年に中国は通信サービスに396億米ドル投資した(2010年比15%増)。
中国国内の事業環境は時折厳しいものになるが、中国の消費市場は、中国の所得拡大、都市化、そして消費者向け製品に対する需要に魅力を感じる多国籍企業を引き寄せている。