8月11日、7月の企業物価指数が日銀から発表された。国内企業物価は、前月比▲0.1%で、2カ月連続の下落。前年同月比は▲0.1%で、3カ月ぶりにマイナスの数字になった。
前月比にマイナス方向で寄与した類別は、「石油・石炭製品」(寄与度▲0.20%ポイント)、「化学製品」(▲0.07%ポイント)、「非鉄金属」(寄与度▲0.04%ポイント)などとなっている。一方、「電力・都市ガス・水道」が、例年7~9月に行われる夏季電力料金引き上げの影響で、前月比にプラス方向で寄与した(寄与度+0.24%ポイント)。
この特殊要因を除いた夏季電力料金調整後のベースでは、7月分は前月比▲0.3%という、かなり弱い結果だった。
需要段階別・用途別指数で国内需要財を見ると、7月は前月比▲0.7%になった。前年同月比は+0.7%で、プラス幅は前月確報の同+2.0%から急速に縮小した。
国内需要財の7月分を素原材料、中間財、最終財の別に見ておきたい。
「川上」にあたる素原材料は前年同月比+10.3%で、前月確報の同+18.5%からプラス幅が大きく縮小した。前月比は▲2.2%である。
「川中」にあたる中間財は前年同月比+0.9%で、前月確報の同+1.8%からプラス幅が半減した。前月比は▲0.4%である。
「川下」にあたる最終財は前年同月比▲1.8%で、前月確報の同▲1.7%からマイナス幅を若干拡大した。前月比は▲0.4%である。
「川上」におけるコスト増加分の転嫁が「川下」に及ぶことができないまま、「川上」の価格がいったん前月比で下落に転じているというのが、直近の状況である。