先月、米金融大手シティグループの日本法人「シティバンク銀行」が個人向け業務から撤退するとの報道があった。報道によれば、すでに大手邦銀など約10行に個人業務売却の打診を始めているそうだ。

 シティバンク銀行のホームページ上では、「本日のメディアの報道に関して」と題するお知らせで「憶測の報道」としており、報道の真偽は分からないが、もしそうなればシティバンク銀行に口座を持ち、出張等で日本と海外を頻繁に行き来する人たちにとってはすぐに現実的で身近な問題が出てくる。

 海外滞在時、必要な現地通貨キャッシュをどうやって引き出すかだ。

便利なシティバンク銀行の海外CD/ATMサービスだが・・・

 世界200カ国以上のネットワークを有するシティの日本法人シティバンク銀行では海外CD/ATMサービスがあり、その利便性は高い。

 筆者自身は、1995年、人生で初めての海外駐在となったベトナム(ハノイ市)へ赴任する直前にシティバンク銀行(横浜支店)で預金口座を開設した。

 以前は「ワールドキャッシュカード」を使用していたが、それが廃止されてからは、円普通預金口座のキャッシュカード「バンキングカード」に標準装備されている海外CD/ATM引出しサービスを利用している。

 このカードを使えば世界200カ国以上のCD/ATMで自分の円普通預金口座から現地通貨で引き出せる。手数料は1回の引き出しで200円(税抜き)だ(参考: シティバンク銀行「「国内・海外で使う」)。

「金がもらえる!」とATMに大行列、システム故障で残高以上の引き出し可能に

シドニーでATMを利用する人たち ©AFP/Torsten BLACKWOOD
AFPBB News

 一般に、日本企業のグローバル化が進む中で新たな国・地域への進出を検討する際、経営者や社員が短期出張を繰り返して現地情報の収集・分析を行うプロセスを経るパターンが多いが、そうした場合に海外CD/ATMサービスは非常に便利だ。

 特に渡航先が途上国の場合、支払いにクレジットが使えないケースも多く、キャッシュ(現地通貨又は米ドル)が必要となる。また仕事の出張に限らず、海外旅行(特に長期滞在)の時も、このサービスは多額のキャッシュを持ち歩かなくてすむため、大変助かる。