台湾のIT業界紙デジタイムズの報道によると、中国の大手モバイル端末メーカー3社は、今年の年末に端末の需要増が見込めるとして、部品メーカーへの発注量を増やしたという。

 3社とは、ファーウェイ(華為技術)、レノボ・グループ(聯想集団)、シャオミ(小米科技、Xiaomi)。デジタイムズが台湾の友達光電(AU Optronics)や勝華科技(Wintek)などのディスプレイメーカーに取材したところ、3社が7~9月期の初めごろから発注を増やしていることが分かったという。

インドで低価格競争激化へ

大画面スマホ「ファブレット」、今後数年で人気急増の見通し

中国の華為技術のファブレット端末「アセンド・メイト」(右)と米アップルのiPhone〔AFPBB News

 デジタイムズによると、3社が狙っているのは地元の中国市場。同国では韓国サムスン電子と米アップルが高価格帯端末の市場で高いシェアを持つが、3社は低・中価格帯の端末が大きく伸びると期待しており、この分野で製品種を拡充するという。

 この3社は、中国のスマートフォン出荷台数ランキングで上位5社に入ったメーカー。このうちシャオミの台数は、1年前から3倍以上に増え、同社は中国のスマートフォン市場でサムスンを追い抜き、初めて首位に浮上した。

 そうした中、これら中国メーカーは今、近隣アジア諸国の市場に進出しようとしている。例えばシャオミは今年シンガポール市場に製品を投入しており、今後はマレーシア、インドネシア、インド、タイといった市場も目指している。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、シャオミをはじめとする中国メーカーは、とりわけインド市場に注目している。これにより、インドの携帯電話市場は価格競争がますます激化しそうだと同紙は伝えている。

わずか数年で急成長したインドメーカー

 インド市場における中国メーカーのシェアは今のところ5%未満。ただし、同国の消費者はあまりブランドを気にせず、より低価格で高性能の端末を追い求める傾向がある。インドメーカーがわずか数年で躍進した経緯を考えると、今後も勢力図は容易に変わりそうだとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 香港の市場調査会社、カウンターポイントテクノロジー・マーケットリサーチがまとめたインドの携帯電話市場に関するリポートによると、今年4~6月期、マイクロマックス ・インフォマティクス(Micromax Informatics)というインドメーカーの出荷台数がサムスン電子を上回り、初の首位となった。