外資系から羽ばたく人材
外資系から羽ばたいていく人は多い。自分で会社を立ち上げたり、海外の有望なビジネスを日本で展開したり、日系企業の社長・役員になったり、様々な活躍をしている。また、後進のためや日本の活性化のために、ベンチャー企業の立ち上げを助けている人もいる。頭の下がる思いだ。
こうしたことができるのは、世界を相手に仕事をして、特定の会社のみで生かされるノウハウでなく、どこでも通用する能力を身につけたからだ。金銭的余裕があれば、なお気持ちにゆとりができる。
いずれにしても大切なのは、人生の後半戦を迎えるにあたり、選択肢を持っていることだ。会社は人生80年の面倒は見てはくれない。いずれ、個人をベースに動くときがくる。満足する人生を送るためには、自分で選択したという納得感が重要だ。
自分で歩んできた人は、年を取っても枯れる人が少ない
外資系で働いてきた人は、年を取っても枯れることが少ないように感じる。第一線を退いても、それまでの仕事のつながりやノウハウをもとにアドバイザーをしたり、フルタイムの仕事も小規模で動きやすい自分に合ったやり方をしているので、生き生きとしている。
使える能力があるということは、誰かに求められているということだ。特に、英語を含めた国際的なコミュニケーション能力や人的ネットワークを持っている人は希少なので、手助けを求められることが多い。海外の企業からのニーズに応えられれば、可能性は世界中に数限りない。
自分で選んで自分の意思で決めているという納得感と、ニーズの高い能力を持つことによる選択肢の幅、この2つが年を取っても生き生きしている理由だろう。外資系に限ったことでなく、自分の足で歩んできた人がこうした境地に到達できるのだろう。
第3フェーズへの移行は、周到に時間をかけて準備
第2フェーズの自己確立から、第3フェーズの自己実現に移行するために、大きな方向転換が必要となる人もいる。
例えば、外資系で熱中して仕事をしてきたが、人生はお金だけではないと思い、これまでの路線から抜け出して、教育や次世代の企業の立ち上げなと、社会性の高いことを目指す、などということも考えられる。
しかしながら、思い切って方向転換をすることはなかなか難しい。1つは、お金は魔物で、何億円持っていても、将来を心配すればきりがなく、これで十分と気持ちを定めるのは容易ではない。このまま働き続ければ得られたであろう高所得をあきらめるのも、決断がいる。