先日、ソウル観光公社が韓国の最新の流行を紹介するという、メディア・ファムツアーなるものを主催していた。ここで面白かったのは、最新のホットスポットを巡った後、最後の晩餐会はホテルでのキャンプ体験が組み込まれていたことだ。

世代を超えて大流行中

 現在、韓国では世代を超えてキャンプが大流行なのである。

 韓国には元々登山が好きな人たちが多い。韓国は日本のような高い山はないものの国土の8割が山地で、そこそこの小高い山が多い。首都のソウルにしても、周りを8つの山が取り囲んでおり、市内のど真ん中には南山がそびえている。

 日頃の運動に関する調査によると、韓国人が最も好む運動はウォーキング、2位が登山となっている。身近に山があるだけに日常的に山登りを趣味とする人が多く、週末になると、山の麓の地下鉄の駅には登山服を着た人たちをたくさん見かける。

 数年前、韓国の高校生たちの間でアウトドアブランドである「ノースフェイス」のダウンジャケットが流行ったことがあった。

 数十万ウォンもするダウンジャケットを子供に買い与える親がいる半面、それを買ってあげられない親もいる。そして、高校生の間ではダウンジャケットによって階級が生まれ、いじめに発展し、社会的な問題になったこともあった。

 「ノースフェイス」のダウンジャケットが流行りだしてから、韓国では、国内外のメーカーがこぞって2匹目の泥鰌を狙って様々なアウトドアブランドを立ち上げた。

 これは、一時期の韓流ドラマにも反映されており、ドラマの中で財閥の息子や娘が新しいブランドを立ち上げる時は必ずと言っていいほど、アウトドアブランドだったこともある。

 そうしたアウトドアブランドの成功は、日本で「山ガール」ブームが一時そうであったように、アウトドアブランドがアーバンスタイルとしても力を発揮するようになった。