エコノミスト・カンファレンス「ジャパン・サミット2014:2020年に向けた日本の転換」からお届けするリポート第2回は、『日本企業の未来図:巻き返しに向けた挑戦とカギ』(4月17日開催)。
登壇者は、内閣府特命担当大臣の稲田朋美氏、ソニーコンピューターサイエンス研究所所長の北野宏明氏、Ken Okuyama Design 代表の奥山清行氏、ボストン・コンサルティング・グループ日本代表の御立尚資氏。司会はエコノミスト誌東京支局長のタムジン・ブース氏。
クールジャパン第2弾の切り口は、デザイン、地方、外国人
稲田 現政権において、私は規制改革、行政改革、公務員制度改革という我が国の大きな構造改革を担当するとともに、クールジャパン戦略、再チャレンジ政策という我が国の文化や風土を変える、あるいは良さを発信していくという仕事をしております。
それぞれの仕事は一見関係が無いように見えるかもしれませんが、例えば、無駄な予算や事業、既得権益化している規制も国益の観点から見直すとともに、そうしたことが自律的にできる官僚を育て、幹部に登用していくという行政改革、公務員制度に改めるべく取り組んでおりまして、先日長年の懸案であった公務員制度改革法案を成立させることもできました。
まず、クールジャパンについてですが、これまで第1弾として、クールジャパン戦略を再定義することに取り組みました。それには3つの側面があります。
1つ目は、クールジャパンを特別なものではなく、国民の社会的なムーブメントにするということです。
私もクールジャパン戦略担当大臣になってから、メガネをかけ始めました。眼はいいのでメガネは必要はないんでが、福井のメガネを世界に発信しようということです。また、網タイツもはいておりますが、これも日本の素晴らしい技術で編んだ網タイツです。そういうように社会的な国民運動に盛り上げたいと考えています。
2つ目は、上から目線ではなくて、民間の取り組みを後押ししたいということ。そして3つ目は、省庁タテ割りではなく、皆で一緒にクールジャパンを経済成長につなげたいということです。
現在、クールジャパン戦略は、新たなステージに入っていると思います。要するに、クールジャパンがあまりにもいろいろな人から様々なことを言われて、ごった煮のようになって、いったい何なのか分からなくなってしまっていると。
そこで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、世界の目が日本に向いているこの機を逃すことなく、クールジャパンの発信力を強化するため、第2弾を始めることとしております。
第2弾の切り口は3つあります。第1にデザイン、第2に地方、第3は外国人です。
要するに、日本のこまやかさをデザインという形で発信をしていきたい、また地方に埋もれているクールジャパンを発掘したい、そして私たちがよいと思うものではなくて、外国の方がよいと思うものが何なのかということを発信していきたいと思っております。