マット安川 ゲストに初登場・青山繁晴さんを迎え、日本の政治、国防、外交、危機管理など、今年度の問題点を斬っていただきました。印象的だったのは、ロビイストの育成について。明快必見です!

現場の記者が起ち上がってこそ日本のメディアは変わる

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:青山繁晴/前田せいめい撮影青山 繁晴(あおやま・しげはる)氏
独立総合研究所社長。共同通信社、三菱総合研究所を経て、2002年に独立総合研究所を設立。著書に『日中の興亡』『王道の日本、覇道の中国、火道の米国』『救国 超経済外交のススメ』など。他にも共著多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

青山 大手メディアの記者諸君に言いたいことがあります。それは、メディアの危機を打開するには、最前線で取材している記者たちが起ち上がらないといけないということです。

 大きな組織になるほど出世した人は立場を守るためにリスクを避け、結果として真実をないがしろにすることになる。現場の記者一人ひとりが自分で動くしかないんです。

 例えば、戦ったわけでもない韓国との間でどうして戦争責任が問題になるのか。休みを使って韓国に行き、こういう疑問を直接、政治家や高官にぶつけてみてください。大手メディアの名刺を出せば、それなりの人が必ず会ってくれます。

 僕自身、共同通信の記者だったころ、そんな形で韓国軍の関係者を訪ね、前の国防大臣だった金泰栄(キム・テヨン)さんと知り合いました。彼が陸軍の中佐か大佐だったころです。で、こういう人とわーっと議論すると、お互いがいろんなことに気づきます。

 ある方とは一緒にソウルの独立記念館に行きました。

 そこには日本兵が妊娠している女性のお腹を切り裂いて子どもを取り出している様子が、人形で再現されています。僕なりに調べたら、朝鮮半島で行われたことが日本軍の行為にすり替えられたものだと分かった。そんな話をしたら、最後には彼も僕の言うことに理解を示してくれました。

 もちろん嫌な目に遭うことはたくさんありますし、怒鳴り合いになったりもしますが、名刺を使うことでだれにでも会える大手メディアの記者は、責務としてこういうことをやらないといけない。

 その上でインターネットを使って情報発信することで、メディアが「マスゴミ」と言われるような状況を変えることができると思います。