香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(南華早報)の報道によると、米アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」は、中国においても上位モデルの「5s」の方が、下位モデル「5c」よりも売れているという。

5c、中国ではほかのどの国よりも不人気

「廉価版」iPhone5C、中国市場で約7万円 高過ぎと不満

「iPhone 5s」を発表する米アップルのティム・クックCEO〔AFPBB News

 同紙が引用した中国アプリ解析企業の調査結果によると、5cのiOS端末全体に占める利用比率はわずか2%弱だった。これはアイフォーンの現行モデルが中国で発売されてから4カ月目に当たる昨年12月時点の数値。

 これに対し、上位モデルの5sは12%だった。また2012年に発売された1世代前の端末「5」の利用比率は約7%。5はその後も伸びており、今年2月には約15%に達したと同紙は伝えている。

 アップル製品の正規販売店では現在、5s、5cと、2世代前の「4S」の3製品を販売している。だが、中国では非正規輸入された製品が数多く出回っており、5の利用者が多いという。

 米アップアドバイスによると、中国おける発売後数日間の販売台数比率は、5sが91%だった。同国では、ほかのどの国のよりも5cが不人気で、これは端末価格が大きく影響しているとアップアドバイスは指摘している。

中国では4488元と割高な価格設定

 5cは当初、高価格の端末を求めない消費者層向けの下位モデルと見られていた。しかしその16GBモデルの価格は、米国で携帯電話会社との契約を結ばない場合549ドル。

 これに対し5sは649ドルと両者は100ドルの違いしかない。こうしたことから先進国市場では、最新技術を搭載した5sの方が3対1の比率で多く売れていると言われている。

 また中国における5cの価格は4488元(726ドル)からと、米国に比べて割高。こちらも5sとの価格差は800元(約130ドル)と、大差はない。