ニッケイ新聞 2014年2月18日
サッカー日本代表はW杯ブラジル大会で、6月14日に第1戦コートジボワール戦をレシフェ、19日に第2戦ギリシャ戦をナタル、24日には第3戦コロンビア戦をクイアバで行う。
応援するため来伯する日本人の受け入れに向け、3都市では地元日系団体が受け入れ態勢を整える動きもあるが、不透明な渡航者数、邦人保護は在外公館の主導であること、予算の問題などで実現は難しそうだ。
レシフェ日本文化協会(伊与田明会長)は、会員のヴァルテル・クワエさん(68、三世)を中心に、5人で『W杯日本代表応援委員会』を立ち上げた。「グッズを作って大勢で応援する」「事故、事件の被害者保護を」「観光案内への対応」と、ヴァルテル委員長は前向きだ。
伊与田会長は邦人保護に対して、「州政府と領事館が連携をとっている。我々は協力するという立場になる」とし、日本のテレビ局から通訳の要請があることから、マスコミ関係者への対応にも苦慮しているようだ。
レシフェでは5試合が開催される。日本代表の試合は同地にとってその初戦。後に強豪チームの試合、決勝トーナメント初戦が控えていることから、「日本戦前後の宿泊は問題ないだろう」と伊予田会長。
第2戦ギリシャ戦は、リオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタル。1月18日付け本面で「ナタル日本人会W杯版」の発足を報じたが、その後も協議を重ねている。
「混乱は目に見えている」と話す日本人会の中村恵美子さん(42、福岡)は、観光ガイドや相談窓口の設置など「スムーズに観戦できるよう」に尽力する考えだ。
クイアバのブラジル中西部日伯協会・伊沢祐二会長は「空港から出てくる選手を出迎える」「観戦者のため簡易宿泊先として会館を開放する」ことを考えたというが、現実的ではないと判断したという。
「会館に大スクリーンを用意して観戦会を行う」という案に対しては、「会館は市街地から少し離れたところにある上、クイアバは非常に暑い。会員たちがクーラーの効いた家での観戦を捨てて来てくれるだろうか」と難色を示し、「そうなら宿泊施設として使うのは難しい。ただ次の文協役員会で検討はしてみる」と話した。
日本がグループステージで2位以内に入れば、勝ち抜いた16チームによる決勝トーナメントに進出する。1位通過ならリオ、2位通過なら、再びレシフェでの試合を予定している。
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