先日、ある大手雑貨店の方からこのような話を聞いた。
「近年、バレンタイン関連商品の売り上げが縮小を続けています。この2~3年はその傾向が特に顕著で、“バレンタイン”をキーワードとした販促も消費者にあまり刺さらなくなっています」
縮小するバレンタイン市場、売り上げを伸ばすハロウィン関連商品
日本では1960年頃に大手製菓会社によるキャンペーンをきっかけに、2月14日に女性から男性へチョコレートなどを贈る習慣が広まり、市場を拡大し続けてきた。
しかし、バレンタインの2009年の市場規模(主としてチョコレート)は546億円、2010年は前年比2.0%減の535億円程度に縮小するという調査(富士経済「催事別食品マーケットの徹底解明 2010」)のように、数年前からバレンタインは曲がり角を迎え、市場がダウントレンドに入ったというニュースを多々目にするようになった。
その原因の1つとして言及されているのが、「義理チョコ」需要の減少である。
大丸松坂屋百貨店が行った2014年のバレンタインに関する調査(大丸東京店メール会員の女性約6万人へのアンケート調査)でも、これまではトップを占めていた義理チョコ需要が2014年には4番手と落ち込んでおり、その需要はやはり減少傾向にある。
それに対し、製菓会社などを中心に、主に女性間で贈り合う「友チョコ」、男性が女性にチョコを贈る「逆チョコ」、自分で買って食べる「自己チョコ」のような新たな需要の掘り起こしを行ってきた。
しかしそのいずれもが、バレンタイン市場縮小の歯止めにはさほど寄与していないようである。
冒頭の大手雑貨店の方は続けてこのように話す。
「一方で、バレンタインに取って代わるように、ハロウィン関連商品の売り上げはこの数年でかなり伸びているんです」