日銀は7月12日、6月の企業物価指数(速報)を発表した。
国内企業物価は前年同月比+0.5%で、同率の前月確報に続き、2カ月連続でプラスになった(図表1)。だがこれには、比較対象である昨年同時期に指数(2005年=100)が弱含みで推移していたことが、テクニカルに影響している(図表2)。また、指数の水準は、夏場をピークに「原油バブル」が起こっていた2008年当時と比べると、かなり低いところにある(図表3)。
国内企業物価を前月比で見ると▲0.4%で、8カ月ぶりにマイナスに転じたことが注目される。これに寄与した類別は、「石油・石炭製品」(寄与度▲0.19%ポイント)、「スクラップ類」(寄与度▲0.09%ポイント)、「非鉄金属」(寄与度▲0.07%ポイント)などである。
次に、参考として公表されている需要段階別・用途別指数で、国内需要財を見ると、6月速報では前月比▲0.8%になった。前年同月比は+1.9%で、プラス幅は前月確報から1.0%ポイント縮小した。
国内需要財を素原材料、中間財、最終財別に見ると、「川上」にあたる素原材料の前年同月比プラス幅は拡大基調にあったが、6月速報は+17.4%で、前月確報の+29.0%から、プラス幅は大きく縮んだ。前月比は▲4.8%である。
「川中」にあたる中間財では、前年同月比プラス幅は、ごく小さなものにとどまっている(6月速報は+1.8%)。