7月11日に投票が行われた参議院議員選挙。民主党が獲得したのは44議席にとどまった。マスコミ各社による選挙直前の情勢分析で指摘されていた50議席割れの可能性が、より厳しい形で、そのまま現実化した。民主党と連立政権を組んでいる国民新党は議席を獲得できなかったので、与党合計も44議席。与党系無所属1を加えた非改選66議席と合計すると110議席で、参議院の過半数である122を、大幅に下回ることになった。

図表1: 参院選の結果と、非改選議席を合わせた各党の議席数
  公示前勢 改選議席 獲得議席 非改選 合計
民主党 116 54 44 62 106
国民新党 6 3 0 3 3
自由民主党 71 38 51 33 84
公明党 21 11 9 10 19
共産党 7 4 3 3 6
新党改革 6 5 1 1 2
社会民主党 5 3 2 2 4
たちあがれ日本 3 1 1 2 3
みんなの党 1 0 10 1 11
諸派 1 0 0 1 1
無所属 4 1 0 3 3
(欠員) 1 ── ── ── ──

出所: 各種報道よりみずほ証券金融市場調査部作成

国会運営難航、政策停滞の恐れ

 社民党の連立政権離脱があったため、衆院の与党議席数は、参院で否決された法案の再可決・成立に必要な3分の2に達していない。このため、今回の参院選での与党過半数割れで、最も厳しい形の「ねじれ国会」が現出した。与党の国会運営は難渋することが避けられない。

 国民新党以外に、民主党と連立する意向を示している政党は、現時点では出ていない。今後は政策・法案ごとに個別の政党との連携(いわゆる部分連合)を模索することになる。自民党の谷垣禎一総裁は、大連立の可能性はゼロだ、とした。みんなの党は、連立には否定的だが、「法案、政策ごとの協力はあると思う」と江田憲司幹事長が述べており、具体例として、霞が関改革のほか、デフレ克服に向けた「日銀に金融政策を積極的発動してもらう法案」を挙げた。

 しかし、相手方の政党がその「対価」として要求してくるハードルは、高いものになりがちだろう。首相のリーダーシップが発揮できる政治環境ではなく、政策運営は停滞しやすい。また、強く求めてきた郵政改革法案の成立が微妙になった国民新党が、「与党内野党化」していくことを心配する声も民主党内に出ている、という(7月12日 読売)。