本記事は12月11日付フィスコ企業調査レポート(イートアンド)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
柴田 郁夫
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外食から食料品へブランドを水平展開

 イートアンド<2882>は、「大阪王将」を中心とした大衆中華店を全国で加盟展開する他、冷凍餃子などの製造販売も手掛けている。外食事業の店舗数は、2013年9月末時点で424店舗(うち加盟店387店舗)と加盟店中心の店舗展開を行っている。一方、食料品販売事業は、全国の生活協同組合(以下、生協)向けや一般量販店向けが主力となっている。

 食品メーカーとしての立ち位置から、外食と販売という2つの販売チャネルを活用することで規模の拡大と収益の安定を図ってきた。また、外食事業で培ってきた「大阪王将」ブランドや人気メニューを食料品販売事業へ水平展開することで事業間シナジーも発揮されている。なお、現在の外食事業と食料品販売事業の売上高の構成比率は53:47でほぼ半々となっている。

 2013年3月期決算は、売上高で前期比5.4%増の19,808百万円、営業利益で同13.6%減の902百万円と増収減益となった。事業別に見ると、外食事業が順調に店舗数を拡大して増収増益となった一方、食料品販売事業は、競合他社の商品リニューアルや広告攻勢の影響を受けて増収ながら減益となった。

 2014年3月期の会社計画は、売上高で前期比3.8%増の20,552百万円、営業利益で同7.3%増の968百万円と増収増益決算を見込んでいる。期初計画からの変更はない。なお、2014年3月期末の店舗数の前提は、前期末比28店舗増の438店舗(うち加盟店400店舗)としている。また、上期に二重価格問題などで一時的な落ち込みを見せた食料品販売事業は、足元では順調に回復していることに加え、ヤマサ醤油との初めての共同企画による「ぷるもち水餃子」の販売キャンペーンなどにより巻き返しを図る構えである。

 同社は、今後の成長戦略として、外食事業と食料品販売事業をバランスよく拡大することでトップラインを伸ばすとともに、工場の稼働率及び製造工程の内製化率を高めることで収益性を向上させる方針である。なお、外食事業は、関東エリアを中心とした東日本への出店拡大、食料品販売事業は市場が拡大している冷凍水餃子を2つ目の柱に育てることなどが戦略の軸となっている。

Check Point

●食料品販売の開始で外食専業の同業他社と一線を画す
●独自のFCシステム「のれんチャイズ」で加盟店を拡大
●株主優待制度を重視した株主還元に取り組む方針

会社概要

食料品販売の開始で外食専業の同業他社と一線を画す

(1)会社沿革

 同社は、先代の社長(現社長である文野直樹氏の父親)が、親類関係にあった王将チェーン(現在の王将フードサービス<9936>)で修行を行った後、1969年にのれん分けをして大阪王将1号店を開店したことがスタートである。その後、事業拡大により1977年8月に大阪王将食品を設立し、大阪を基盤に店舗拡大を図ってきた。