11月7日、ツイッターはニューヨーク証券取引所への上場を果たした。サービス開発のスピードはますます加速するものと見られる。フェイスブック、ツイッターのユーザーが大きなカタマリとして出現したいま、多くの企業がソーシャルメディアの活用について試行錯誤を続けている。

 ソーシャルメディアにいかに向き合うべきか。来日したツイッターのプロダクトマーケティングマネジャー、ジョン・ヘイウッド氏へのインタビューを通じて考えてみたい。 

マーケティングのプラットフォームとしてのツイッター

 企業と消費者との関係は、いま大きく変化しつつある。その最前線に位置するのがフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアだろう。そこはモノを売り込むためのチャネルというよりは、企業と消費者、消費者同士が互いに対話する場である。

 売り込みの直截なメッセージに、賢い消費者は振り向かない。それよりも、コミュニティーの誰かの「いいね!」を参考にしたり、誰かのツイートを見て共感したりする。

 「なぜ、人々がツイッターを利用するのか。それは新しいコンテンツを見つけ、何かしらの喜びや驚きを得たいからだと思います。ツイッターはそのためのプラットフォーム。社会をつなぐ情報ネットワークであり、電気やガスのようなユーティリティでもあります」と、ツイッターのプロダクトマーケティングマネジャー、ジョン・ヘイウッド氏は語る。

 このプラットフォームにはいくつかの特徴がある。同社によるとポイントは“Live”“Public”“Conversational”の3つ。言い換えれば、リアルタイム性とオープン性、ミニブログならではの会話のしやすさといったところだ。

 このような特徴に着目した企業は、ツイッターをマーケティングのプラットフォームとして活用している。実際、同社における2013年1~6月の売上高2.5億ドルのうち、広告収入は87%を占める(残りはビッグデータ利用のためのデータ卸事業)。ツイッター上での広告は急増しており、同社も次々に新しい広告手法を開発している。

 ただし、その際には「ツイッターの哲学を大事にしています」とヘイウッド氏は強調する。