本記事はLongine(ロンジン)発行の10月18日付アナリストレポートを転載したものです。
執筆 笹島 勝人
本資料のご利用については、必ず記事末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。
投資家に伝えたい3つのポイント
アナリスト
●銀行株のこう着が続いています。株式市場も同様ですが、「みずほ問題」の影響も考えられます。
●1社の不祥事で他社も管理強化や自粛を迫られる事が過去からあり、一時的に業界が停滞する懸念があります。規制業種の宿命です。
●相場に強気ならメガバンク株ですが、「みずほ問題」の収束とこれを消化する必要があると考えます。
TOPIXはこう着状態
株式市場は、2013年5月に高値から急落し、その後は回復しましたが、7月以降はこう着状態にあります。国内を見渡しても、これまで出てきた経済指標には悪材料は見当たりません。さらに、2014年4月からの消費税率5%から8%への引き上げの実施も決まり、5兆円規模の経済対策や法人減税の検討も発表されました、新聞などメディアも景気に対しては、「○○消費(投資)じわり」といった見出しなどで、回復への雰囲気を醸し出しています。しかし、アメリカの財政上限問題が相場の重石になっています。
銀行株もこう着状態
銀行株も7月以降はこう着状態です(図表1)。業績の好調が続いており、10月に入って三井住友フィナンシャルグループ(8316、以下、三井住友FG)は、2013年9月中間期の当期利益予想を、2,900億円から4,800億円へと実に1.66倍の増額修正を発表しました。しかも、これは前年比45%の大幅増益になります。不良債権処理額が当初の見込みから大幅に減ったことなどが要因です。これまでの銀行の好業績が、今も続いているようです。しかし、三井住友FG株も銀行株全体も、上昇が長続きすることはありませんでした。原因は、株式市場のこう着状態だけではないとみています。