マット安川さんは米国へ出張取材のため、今回はお休みです。JBpress編集長・川嶋諭が留守居役を務めました。(JBpress編集部)
日本の新聞、テレビだけでは海外の動きが分からない
川嶋 日本のテレビや新聞を見ていて感じるのは、海外の情報を十分に伝えきれていないことです。これだけメディアがたくさんあるのに、取り上げるのはみんな同じことばかりですし、それも断片的だったり偏っていたりする。
私は最近、海外、主に東南アジアを飛び回っているんですが、実際に自分の目で見るとまだ書かれていない面白いこと、知るべきことがたくさんあることに気づきます。日本にいて報道を見聞きしているだけでは、分からないことが多いんです。
例えば、日本の若者は安心しちゃって上を目指さなくなった、中国や韓国の若者と比べると覇気がないと言われます。でもアジアの国々を見て回ると意外や意外、起業しようと目を輝かして頑張っている日本の若者が大勢いる。
日本のメディアは海外への留学生が減っているとか悲観的なことばかりに目を向けますが、明るい側面もあるということです。
また、最近、中国がアフリカ各国から政府機関の高官を招いて「接待」攻勢をかけているという記事を掲載しましたが、こういう話もなかなか伝わってきません。
今中国がアフリカにそういうアプローチをしているということだけでなく、では日本や日本企業が出ていくには何が足りないのか、何ができるかといったことを具体的に伝えられたらとても有意義な報道だと思います。
海外で起きていること、世界の人たちが考えていることを知れば、日本国内の現状をどう変えるかを考える上でも大いに参考になるでしょう。
例えば、アメリカのオバマケアの問題。国民皆保険制度に慣れきっている日本人の感覚からすると、なんで共和党はあんなに反対するのかと思いますけれど、そもそも日本人とアメリカ人は感覚が違うんですよね。
日本の今の保険制度の改革を考えるときも、日本国内のことだけじゃなくてオバマケアで何が起きているかを見て、参考にしたほうがいい。そうした意味でも、JBpressでは今後も海外情報を充実させていきたいと思っています。