カナダのブラックベリーは11日にマレーシアで小規模なイベントを開き、スマートフォンの最新モデル「ブラックベリーZ30」を発表した。開発が大幅に遅れ、今年初めにようやく完成した基本ソフト(OS)「ブラックベリー10」を搭載する4つめのスマートフォンとなる。
全面タッチパネルの大型モデルで新興国市場テコ入れ
今度は画面サイズが5インチと、韓国サムスン電子の「ギャラクシーS4」とほぼ同じ大きさ。大型画面のスマートフォン市場に参入し、業績不振のスマートフォン事業のテコ入れを図るというわけだ。
またマレーシアで製品発表会を開いたのには理由があるという。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、同国はブラックベリーにとって重要な市場。同社のマレーシアにおけるスマートフォンのシェアはサムスン、アップルに次いで第3位。
同国では、若年層の人口がスマートフォンの豊かな市場を形成しているほか、政府のスマートフォン利用推進政策も販売を後押ししているという。
端末のラインアップ拡充も前途は多難
現行OSの「ブラックベリー10」を搭載する同社の端末は、まず今年1月末に全面タッチパネルの「ブラックベリーZ10」を発売し、4月に画面下にキーボードのある「同Q10」を発売した。
また5月には後者の廉価モデル「Q5」も発表している。しかしこれら端末の販売は振るわず、3~5月期の業績報告で明らかになった販売台数はわずか270万台だった。
同社はいち早くスマートフォンを手がけ、米国で市場シェアの5割以上を持っていた草分け的メーカー。だがアップルがアイフォーン(iPhone)を市場投入し、グーグルがモバイルOS「アンドロイド(Android)」の無償提供を開始した後、そのシェアは大きく低下した。