- 財政再建、経済成長、産業と雇用の創出の3つが実現できる
- いつまで太平洋ベルト地帯からの輸出に頼っているのか
- 産業構造をポスト工業化型にしなければ生き残れない
- 地方が豊かなドイツを参考にすべし
- 1時間ですべてを理解した菅総理
- 理解するとその場で党幹部に電話を入れた
- 年金の未納問題で党首を辞任
- 頭を丸めてお遍路に旅立った
- 戦後最も困難な運営を迫られる民主党政権
- 静かに忍び寄る1945年と同じような“敗戦”
- この先、日本で最も困るのは東京や大阪などの大都市
- 田舎こそがこれからの日本の成長を支える
- 無料化の効果を全く分かっていない国交大臣
- 同じ4キロの橋なのに、2300円と350円の違いはなぜ?
- 二転三転する大臣の方針
- 6000億円の予算を確保できない政権に何ができる
- 子ども手当の乗数効果は低い
- 英ケンブリッジ大の試算では年間10兆円の効果が期待できる
- マニフェストの半分の予算で地方の活性化が可能に
6月2日に鳩山由紀夫総理が突然辞意を表明し、その2日後に菅直人総理が誕生し、参議院選挙が始まりました。
財政再建、経済成長、産業と雇用の創出の3つが実現できる
経済・財政の立て直しに強い意欲を示した菅首相〔AFPBB News〕
高速道路無料化政策の生みの親である菅総理は、大都市を除いた地方に限定した新しい高速道路無料化を今こそ実行すべきです。財政再建・経済成長・地方からの新しい産業と雇用、の3つを達成できるからです。
作家の石川好さんの紹介で、菅さんに最初にお会いしたのは、菅さんが民主党代表になったばかりの2003年1月のことでした。
当時の私は、2002年4月にゴールドマン・サックス投信の社長を辞め、本四架橋などの高速道路を無料開放することをマニフェストに掲げて徳島県知事選に立候補したあと、シンクタンクを立ち上げて活動していました。
私が突然徳島県知事選挙に出たのは、2001年4月に誕生した小泉純一郎政権にあまりにも深く失望したからでした。小泉改革は、大企業の日本脱出を支援するけれども、地方の衰退を加速する。
特に、道路公団民営化という名の、世界一高い高速道路の料金の永久化が、便利な大都市への集中、不便でコストが高い地方の過疎、といういびつな国土を固定してしまう。
いつまで太平洋ベルト地帯からの輸出に頼っているのか
すると、「太平洋ベルト地帯からの輸出国家」という、失われた国家モデルを転換できない、という確信がありました。
欧米でのビジネスを経験し、歴史を研究してきた私は、戦前のドイツが世界初の無料の高速道路アウトバーンを造って地域経済を結びつけて失業者を600万人から30万人に低下させ、そのドイツに学んだ米国が戦後全国に造った無料高速道路インターステートハイウェーが、黄金の50年代、60年代と呼ばれる年率3%の高度成長に貢献したことを知っていました。
しかし、日本の高速道路は、20世紀中に無料にする約束を破り、世界一高い料金を取り続け、地方では利用できずに宝の持ち腐れになり、経済の分散化や構造転換が一向に進まない現実を痛感していました。
日本の地方、つまり日本の国土の8割は、自動車しか日常の交通手段がないクルマ社会です。地方の唯一の高速移動手段である高速道路を建設当初の約束通り無料化するのは、地方で生活と仕事ができるための最低条件です。
