ややマイナーな指標ではあるものの、筆者が気になっている米国の指標が1つある。
6月24日に米カンザスシティー連銀が発表した6月の同連銀管内の製造業調査で、生産の指数(前月比「増加」の回答比率から「減少」の回答比率を差し引いたDI;季節調整値)は+3になり、前月比2ポイント低下した。この指数は、4月分では+24まで上昇していたが、5月分で+5へと急低下。そして今回6月分では、リバウンドすることなく、小幅続落した。
カンザスシティー連銀製造業指数(生産)の過去データ(2001年7月以降について入手可能)をとって、ISM製造業景況指数(総合)と比べてみると、両指数は概ね連動していることが分かる。ちなみに、ISM指数の予測に使われることが多いフィラデルフィア、ニューヨーク、リッチモンド各地区連銀の製造業景況指数(総合)についても同じように、ISM指数と重ねて作図した。生産や新規受注などいくつかの指数をもとに作成された合成指数ではないことから、カンザスシティー連銀の上記指数には、月ごとの振れが大きいという難点がある。それでも、ISM指数の大きな流れの変化を探る上では、かなり有用なツールである。
ちなみに、上記3地区連銀製造業景況指数(総合)の6月分は、次のようになっている。
・フィラデルフィア連銀 ~ +8.0(前月比▲13.4ポイント)
・ニューヨーク連銀 ~ +19.57(前月比+0.46ポイント)
・リッチモンド連銀 ~ +23(前月比▲3ポイント)