北米報知 2013年7月11日29号
全米日系人博物館による全米会議が7月4日から7日にかけてシアトルで行われた。米国、日本、カナダ、欧州などから参加者が集い、5日、6日にダウンタウンのシェラトンホテルで朝、昼、夕の全体会議や合間に行われた分科会に参加、日系史にまつわる議題に向き合った。4日、7日には当地ツアーが催された。
同会議は3回目の開催となり、初回以外は博物館のあるロサンゼルス外を開催地として、全米各所での交流や博物館の広報を図る。
今年はリドレス(戦後補償)をまとめた「1988年市民の自由法」制定から25周年にあたり、同活動の発端地となる当地会議の大きなテーマとなった。
グレッグ・キムラ館長は家族4世代での参加者がいたことに触れ、「若い世代が日系史に強い興味を持って接し、高齢者も喜んで経験を伝える様子を見ることができました。会議として非常に充実していたと思います」と総括した。
今年は初めて日本語による分科会が設けられ、日系史紹介や当地を舞台としたドラマ『99年の愛―ジャパニーズ・アメリカンズ』の検証に地元関係者が耳を傾けた。地元団体はブース展示やアクティビティーで参加、会議の成功に協力する地元ボランティアも多くいた。
アラスカの日系史紹介や現在まで残された文献についての考察、また強制退去に抗した故ゴードン・ヒラバヤシ氏の縁地でもあり、排斥、偏見を乗り越え人権活動で実績を残してきた日系人の米国社会での役割についても議論が進められた。
(記事・写真=佐々木志峰)
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