週刊NY生活 2013年6月1日445号

 自転車6000台に乗り場300か所以上を擁した大規模の自転車シェアプログラム「シティ・バイク」が5月27日、マンハッタンおよびブルックリンでスタートした。

 16歳以上から利用可能で、各乗り場に設置されたタッチスクリーンでニーズに合わせた利用券を購入する。利用券は1日(24時間)券が9ドル95セント、7日券が25ドル、年間利用券は95ドル(課税前価格)。登録完了後、カードまたキーが利用者へ提供される。登録方法や利用超過料金は各サービスで異なる。

 登録方法は、年間利用券は公式ウェブサイトでクレジットまたはデビットカードで申し込みができ登録後に解錠キーが郵送される。1日券と7日券は、各乗場でクレジットもしくはデビットカードで購入する。

 利用超過料金は、年間会員は最初の45分間、1日券と7日券は30分間であれば超過料金は発生しない。料金計算は各乗場にある自転車のロックが解除され、返却時に施錠されたことが電子システムで確認された時点で算出される。

 年間会員は、乗車から45分経過し最初の30分間(開始後45~75分)が2ドル50セント、さらに30分間(75~105分まで)利用すると6ドル50セント、その後(105分以降)は30分毎に9ドルが課金される。

 1日券と7日券は、開始から30分~60分が4ドル、60分経過から90分まで9ドル、その後は30分毎に12ドルがそれぞれ課金。

 プログラムをめぐっては開始前から賛否両論が相次いでいる。5月27日付ニューヨークタイムズ電子版では、ニューヨーク市の自転車利用者が2009年に前年比26%増、10年に13%、11年に8%と年々増加傾向にあることを紹介。

 一方、自転車大国のフランス・パリで現在定着しているシェアプログラムも当初は死亡事故や窃盗、破壊行為が問題になったことに触れながら懸念事項も指摘している。市の予算を理由にヘルメット着用が義務付けられていないなど安全面の課題も指摘され、今後の動向が注目されている。

 登録情報や各乗場の詳細はウェブサイトを参照。

(追加記事)

シティバイク拡張計画第1弾はブルックリンとクイーンズ
「サンディ」被災地を中心に

 シティバイクの第1回拡張エリアとして、昨年のハリケーン「サンディ」で大きな被害を受けたブルックリンとクイーンズの一部エリアが候補となっている。

 地下鉄Gライン沿線のグリーンポイントとロングアイランドシティーで、2区の境界となるニュータウンクリーク下を通るトンネル(グリーンポイント・アンダーリバー・チューブ)の修復工事のため、7月上旬から12月中旬までの毎週末、さらに2014年の夏の間5週間にわたり7日間、地下鉄の運行が停止となるグリーンポイントアベニュー、21ストリート、ロングアイランドシティー=コートスクエアの3駅周辺に設置されることになりそうだ。新設に関わる費用全額、あるいは一部をMTAが負担するとの情報もある。

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