ニッケイ新聞 2013年6月6日

 日本の外務省が、全伯600人のブラジル人を対象に行った『ブラジルにおける対日世論調査』によれば、アンケート回答者のうち81%が「日系人はブラジル社会に貢献している」、77%が「在日伯人が日伯の関係強化に役立っている」という各質問に対し肯定的な回答を示していることがわかった。

 在ブラジル日本国大使館の高杉優弘公使は「当地における日本への良いイメージの背景に、日系人の存在が大きく関わっていることが裏付けられた」と調査に対する印象を語った。

 他国と比較した対日関心については、50%の人が「ブラジルにとって重要な国」として日本を挙げた。これは中国(32%)を上回り、米国(59%)に次ぐ2番目に高い数値となる。加えて「親しみを感じる国」では第4位(9%)、「留学先として適当な国」で第2位(11%)など軒並み高評価を受けた。

 中でも「ブラジルの発展のために必要な科学技術導入の手本となる国」の項では2位の米国(19%)を大きく引き離しての第1位(40%)に挙げられた。また「日本への関心分野」の項でも53%が「科学技術」に回答するなど、同分野に高い期待がかけられていることが示された。

 また、78%が日伯の関係について肯定的、84%が今後もブラジルにおける日本の重要性は高まっていくとの見方を示しているほか、「日本に親しみを感じる」に対する肯定的な回答は75%にも上り、その理由としては、「発展している国であること」(56%)、「日本製品への信頼」(30%)「歴史・伝統のある国だから」(29%)などが挙げられた。「ブラジルの発展への貢献」(21%)も上位に入った。

 一方で、日本人及び日系人については、勤勉・能率的(20%)、礼儀正しい・親切(10%)など好意的なイメージに加え、計算高い(17%)、集団・閉鎖的(16%)という否定的なイメージが混在しているのに対し、日系人単独に対する結果は勤勉・能率的(17%)、礼儀正しい・親切(16%)正直で約束を守る(16%)などポジティブなイメージがより上位に来ていることがわかった。

 高杉公使は「本調査の趣旨には“ジャポネス・ガランチード”という言葉に代表される、ブラジルにおける日系人の良い評判や、日系移民の活躍による日本への肯定感の存在は、数字として裏付けされるものなのかを確かめることが一つの大きな目的だった」と話し、調査結果がそれを証明するものだったことに満足感を示した。

本調査はSENSUS社への委託によって2月21~25日に、全伯24州、53都市において16歳以上の600人を対象に、面談形式で行われた。%数は小数点以下を四捨五入したもの。

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