南仏の高級リゾートのニースに、日本人旅行者を歓待してくれる人たちがいる。日本が大好きで、日本語を流暢に話す現地ガイドたちだ。
海外に暮らす日本人が、現地の事情に詳しいことを生かして、日本からのお客様に旅案内をするのはよくある話。それに最近は、現地の人が英語やフランス語などで地元を紹介して回るサービス(ツアーズ・バイ・ローカルズ、パリジャン・ダンジョー)も広がってきている。
でも、このニースでのように、日本が好きな地元の人がもてなしてくれたらどうだろう。旅では日本と違う世界にたっぷりひたりたいとはいえ、やはりうれしいもの。
「一生に1度の、また2度目3度目のニース滞在を、心に焼き付けてほしい」。ニース生まれのステファニー・ルモアンヌとスタッフたちは、そんな願いを胸に、日本の訪問者たちへの応対に努力を惜しまない。(文中敬称略)
スタッフ全員が日本語を話して、旅のお手伝い
旅行会社マイ・コートダジュール・ツアーズは、ニースにある。社長のステファニーをはじめ、スタッフは全員、日本語を流暢に話す。顧客は100%日本人。観光でもビジネスでも、ニースや周辺に関することは気軽に頼める。
同社はカウンターを構える旅行会社ではなく、ウェブサイトがその顔だ。メールや電話で連絡して、ホテルの手配や空港送迎を頼んだり、同社が用意したツアーの申し込みをしたり、イベント(F1モナコグランプリやマラソンのモナコランなど)参加の手続きを依頼する。
ほかに通訳も引き受けるし、雑誌やテレビの取材のコーディネートもするし、留学時の細かな手続きも請け負う。ニース、近隣のモナコやカンヌを訪れる日本人の目的は1人ずつ違っても、同社は顧客の希望がかなうよう最善を尽くす。
「5月の数日間、年末年始などは、公的な休暇や交通規制で実施できないツアーもありますが、原則的に年中無休です。日本の旅行代理店経由での依頼を多数請け負っていまして、ウェブサイトやフェイスブックページを開設してからは、直接ご予約くださる方たちがとても多くなりました」とステファニー。
利用者からは、満足気な声が続々と届いている(同社サイトで、利用者の感想の閲覧可)。
私もニースでの移動のために車をお願いしてみた。事前のメールや電話でのやりとりは迅速に進み、何の問題もなかった。ステファニーとのコミュニケーションは日本語だ。