カナダ、ブラックベリー(旧社名:RIM)のスマートフォンの新モデルが先週、米国でようやく発売された。米国は同社にとって最大の市場。だがここ最近は米アップルの「アイフォーン(iPhone)」や韓国サムスン電子の「ギャラクシー(Galaxy)」などに押され、同社のシェアは低下している。
こうした状況を打開しようと同社は新しい基本ソフト(OS)「ブラックベリー(BlackBerry)10」を打ち出し、ライバル端末に匹敵する製品の市場投入を目指した。だが開発に遅れが生じ、2度にわたって発売時期が延期され、結局当初計画より1年遅れの発売となった。
「BlackBerryはiPhoneよりも先進的」
ブラックベリーが今年の1月30日に発表した新端末は、「ブラックベリーZ10」と「同Q10」の2モデル。
このうちマルチタッチディスプレイを備える前者のZ10は、英国やカナダなどで先行発売しており、今回これを米国市場に投入した。後者のQ10は、4月頃に世界で発売する予定だ。
これらに搭載される新OSのブラックベリー10は、新しいユーザーインターフェースや、情報をまとめて管理できるハブ機能、仕事と私用の情報を分離して安全性を高めるセキュリティ機能などが特徴だ。
また米グーグルの「グーグルプレイ」やアップルの「アップストア」「アイチューンズ・ストア」と同様に、コンテンツ配信サービス「ブラックベリー・ワールド」も用意しており、同社は先週ここで提供されるブラックベリー10向けアプリの数が10万本を超えたと発表した。
この数はまだグーグルプレイやアップストアには遠く及ばないが、米アマゾン・ドットコムの電子書籍アプリや、レストラン検索・予約アプリ、ツイッターやフェイスブックといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のアプリもあり、利用者が普段使う人気のあるアプリは一通りそろえている。
英フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアによると、同社のトールステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)は「(新OSは)アイフォーンなどに比べて先進的」と述べるなど、自信を示している。業界や市場関係者の反応も良く、新端末は良い出来に仕上がっていると評判だ。