2012年、様々な局面でソーシャル化する社会の現象が見られたことは前回述べた通りだ。
政治、経済、スポーツ、我々の日常生活・・・。それぞれが何らかの形でソーシャルメディアの影響を多かれ少なかれ受け始めていることを、もはや否定することが難しくなった。
2012年は、それを「否定することが難しくなった」節目の感がある。
政治におけるソーシャルメディア活用の効果とは
『衆院解散、"ソーシャル選挙"は日本に上陸するか』でも言及していた通り、今回の総選挙を経て、早速インターネットを使った選挙運動の解禁に向けた機運が高まった。
自民党の安倍晋三総裁は12月12日、「次の選挙までにネット選挙は解禁すべきだ」と強調し、来年の参院選までにネットでの選挙運動を規制している公職選挙法の改正を目指す考えだという。
それが実現されれば、選挙のソーシャル化も本格化していくであろう。
こうして「ソーシャル化する社会」の潮流が顕著となる中で、取り違えてはいけないことがある。「ソーシャル化する社会」は、すなわちソーシャルメディアが多用される社会を意図しているわけではないということだ。
例えば政治、とりわけ選挙におけるソーシャル化とは何なのだろうか。
今回の総選挙に際して、選挙運動以外での日常的なソーシャルメディア活用の巧拙の差が政治家ごとにあったと感じている。
もちろん、選挙においては多種多様な勝敗ファクターが複雑に絡み合っているし、現状ではその差そのものが選挙結果を抜本的に左右するところまでは至っていないと思われる。
とはいえ、ソーシャルメディア活用の巧拙と選挙結果の相関は既に表れ始めたと考えているし、その相関は将来にわたり大きくなっていくと考えている。
だからといって、ソーシャルメディア活用そのものが「政治、選挙のソーシャル化」だとは捉えていない。辻立ちや講演会・パーティ、様々な政治広告等の中にソーシャルメディア活用が新たに持ち込まれた場合、有権者と政治家に新たな価値がもたらされる。