米アマゾン・ドットコムが、映画や音楽コンテンツの配信サービスに力を入れている。同社は先週、米国で展開している映画やテレビドラマのネット配信サービス「アマゾン・インスタント・ビデオ」で、新たに米アップルの「アイフォーン(iPhone)」と「アイポッド・タッチ(iPod touch)」向けのアプリを公開したと発表した。
また同社には「アマゾン・クラウド・プレーヤー」という音楽配信サービスがあるが、これを利用できるアプリを韓国サムスン電子のテレビや、米ロク(Roku)のデジタルメディア配信端末に提供することも明らかにした。
アイフォーンに対応し、利用者拡大図る
前者の「インスタント・ビデオ」では、映画やテレビドラマなど約14万作品を用意しており、利用者はその中から好きな作品を購入したり、レンタルしたりできる。またアマゾンの米国版サービスには「プライム」と呼ぶ年額79ドルの特別会員制度があり、こちらの会員は3万本の映画、ドラマを追加料金なしで見放題になる。
アマゾンはこの「インスタント・ビデオ」向けのアプリを既に同社のタブレット端末「キンドル・ファイア」、ソニー、サムスン製のテレビ、ソニー、任天堂、米マイクロソフトのゲーム機、ロクのメディア配信端末などに提供している。
アップルの「アイパッド(iPad)」向けアプリも今年の8月に公開していたが、今回新たにアイフォーンとアイポッド・タッチでも使えるようにしたというわけだ。
こうして「インスタント・ビデオ」と「プライム」の会員増を図り、デジタルコンテンツの売り上げを伸ばそうとアマゾンは考えている。
一方の「クラウド・プレーヤー」は今年11月に日本でも始まったサービス。アマゾンで購入した音楽は自動でクラウド上に保存され、最大10台の端末で再生できるというものだ。