米マイクロソフト(MS)は先週、自社ブランドのタブレットコンピューター「サーフェス(Surface)」の上位モデルを来年1月に発売すると発表した。
サーフェスは最新基本ソフト(OS)ウィンドウズ8のARM版「ウィンドウズRT」を搭載する廉価モデルと、ウィンドウズ8の上位版である「ウィンドウズ8プロ」を搭載するモデルの2種類があるが、前者の廉価モデルは10月に発売している。
今度はその上位モデルがようやく登場するというわけだ。こちらはRTモデルと異なり、従来のウィンドウズ用アプリケーションを利用でき、ノートパソコンのように使えることから注目されていた。だが、先週併せて発表された価格が高かったため、さっそく売れ行きを懸念する声が上がっている。
台湾紙、MSの発注が半減と報道
上位モデルの価格は899ドルからと廉価モデルよりも400ドル高く、サーフェスの特徴であるキーボード兼用のカバーは別売りとなり、これを追加購入すると最低でも1019ドルになる。
もちろん上位モデルは画面解像度が高く、高速のマイクロプロセッサーを搭載する。スタイラス(電子ペン)が付属し、使い勝手も良さそうで、高い価格にはそれなりの理由がある。しかし、この価格帯の製品には、中国レノボ・グループ(聯想集団)や米デルなどの競合製品があり、厳しい競争を強いられそうだと言われている。
サーフェスは米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末の隆盛によって低迷するパソコン市場を再び活気づけようと、マイクロソフトが投入した同社初のコンピューター。だが最近は、RTモデルが当初の売り上げ目標を達成していないという観測が流れている。
例えば台湾のIT業界紙のデジタイムズによれば、マイクロソフトは年内に400万台のRTモデルを出荷する計画を立てていた。ところが同社は最近になって、製造委託業者への発注量を200万台に減らしたという。