今回の『やすトラダムス』(Kiss FM KOBE で毎週日曜24:00-25:00放送)は、衆議院議員総選挙に立候補予定の中山泰秀氏に代わり、父親で元衆議院議員の中山正暉氏がナビゲーターを務めた(中山正暉氏の出演は12月16日放送までの予定)。

ピラミッドとダビデの星が共存する1ドル紙幣、そして星条旗が象徴するもの

中山(正暉) 今回から代役を務めるということで、何をお話ししようかと考えていたのですが、まずはお金にまつわる話をご紹介したいと思います。

 1971年8月15日、金とドルの兌換の停止が発表されました。それを発表した当時の米大統領の名を取ってニクソン・ショックと言われます。金とドルの交換比率を固定し、ドルと各国通貨の交換比率を固定して通貨の裏付けとしていた第2次大戦後の通貨体制が崩れた瞬間でありました。

 その後もドルは基軸通貨としての地位を維持していますが、そのドル紙幣には非常に興味深い由来があるのをご存じでしょうか。

 今の1ドル紙幣は1933年から使用されています。表面には初代米国大統領ジョージ・ワシントンの顔が印刷されており、裏を見ると右側に羽を広げた鷲、左側にエジプト・アラブ共和国のシンボルであるピラミッドが配されています。これらは米国の国璽(グレートシール)の表と裏の図柄です。

1米ドル札裏面(ウィキペディアより)
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 左右それぞれのデザインには次のような意味があります。まず右側はリボンを咥えた鷲が、13枚の葉がついたオリーブの枝と13本の矢を持っています。オリーブは平和、矢は戦いのシンボルであり、13は米国建国時の州の数を表しているそうです。

 次に、中央の「ONE」という字を挟んで左側のピラミッドですが、よく見ると一番上の三角の中に目玉があります。これは神の全能の目(プロビデンスの目)で、神がお札の中から世界中を見渡していることを表している。ピラミッドの頂点が切れているのは、米国が未完成であることを意味するのだそうです。

 ピラミッドの周りには色々な文字が書かれています。上部の左右にある「ANNUIT COEPTIS」は「神は我が事業に好意を示す」を意味し、ピラミッド最下段の「MDCCLXXVI」は1776年、つまり米国建国の年を指しています。

 また、ピラミッドの下の帯に書かれた「NOVUS ORDO SECLORUM」という言葉は「New world system(世界の新しい秩序)」のことです。

 ここで面白いのは、片方にはエジプトのシンボルのピラミッドがあり、もう一方の鷲の頭上には古代イスラエルのダビデ王に由来するとされるダビデの星(六芒星)があること。

 先日、イスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスとの紛争がエジプトの仲介により停戦合意に至りましたが、1ドル紙幣と中東情勢には不思議な因果を感じます。