ボーディングスクールという言葉を耳にしたことのある方は多いと思います。欧米の寄宿制中等教育学校を指し、親元を離れ友人と寝食を共にする集団生活を通じて心身を鍛え、学業のみならず自立心や規律、協調の精神などを養う教育の場です。

 また、王侯貴族が通う学校という側面もあります。実際ベルギー王室やルクセンブルク公国、モナコ公国の王子らの出身校であるスイスの「ル・ロゼ校」や、英国王室のプリンスらが学ぶ英国のイートン校などは有名です。

 特にスイスのボーディングスクールは米英とは異なり世界各地から生徒が集まるため、最も国際性が高いと言えます。

世界のエリートが集うボーディングスクール

 米国では、上流階級の子弟の多くは親元を離れてボーディングスクールに進学する傾向にあります。 自然や施設に恵まれた環境の中で少人数のディスカッションを中心とした授業が行われ、ほとんどの生徒は一流大学へ進みます。

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キャメロン英首相やウィリアム王子、ヘンリー王子もイートン校の卒業生〔AFPBB News

 また、将来における米国政財界の人脈をつくることができるため、新興国を中心とした諸外国からも政財界のエリート層が、子息を米国のボーディングスクールに留学させるようになってきています。中でも「テン・スクールズ」と呼ばれる入学最難関の10校を目指すようです。

 英国の名門パブリックスクールは「ザ・ナイン」と呼ばれ、イートン校やハロウ校などの9校を指します。2006年に日本で初のボーディングスクールである海陽学園が愛知県に開校しましたが、上記のイートン校やハロウ校などとの交流があります。

 日本でも徐々に認知度が高まってきているボーディングスクールですが、日本で31年間にわたりボーディングスクールへの留学支援を行っているイーコンシェルジュの代表取締役である斉藤克明氏に、ボーディングスクールにおける教育についてお話を伺いました。

「人間教育」を目指す3つの理念

 ボーディングスクールの特徴について、まずはどの学校にも共通している理念があると斉藤氏は言います。

 「どのボーディングスクールにも共通する理念は3つあります。“Make a difference”“You are special”“Work for potential”。ユニークな自分を見つける、自分の能力を伸ばす、そのための環境を用意するということです。ボーディングスクールの教育の本質は、自分で考えて自分で実行する力や自己選択能力、自己責任意識の醸成です」

 「私が常々大事だと感じているのは、知識を詰め込む前の“人”としての教育です。私は基礎教育と呼んでいますが、好奇心や追求力、他人へのリスペクトなどです。それをボーディングスクールでは効率的に養えます。本来の教育とは本人の好奇心に火をつけて、自然や社会の未知の分野を自発的に追求することにあり、一方的に知識を詰め込むことではありません」