私はこれまで国際開発協力会社の主任研究員として、途上国などの開発協力に関わる調査をしてきていますが、その一環で今春、モンゴルにおけるビジネスチャンスの調査に行ってきました。

 日本の約4倍の国土に、人口はたったの280万人(大阪市と同規模)という、国連加盟国の中では世界で最も人口密度の低い国が今、世界から注目されつつあります。 

世界ナンバーワンのGDP成長率

 モンゴル国家統計委員会によると、2011年の国内総生産(GDP)成長率は17.3%と急成長。さらにシティバンクのリポート「Global Economics View 2011年2月」(PDF)によると、「2010~2015年のGDP成長率トップ10カ国」「2010~2030年のGDP成長率トップ10カ国」ともにモンゴルは第1位にランクされています。

Global Economics View 2011年2月 拡大画像表示

Global Economics View 2011年2月 拡大画像表示
 

 2011年のモンゴルのGDPは約86億ドル。これは世界で133位ですが、2025年にはこの10倍まで成長するとの予測があります。また、その頃には1人当たりのGDPが2万ドルに達すると予想されています。

 これは2011年の韓国やサウジアラビア、台湾など世界40位前後の国々に比肩し、国民の購買力急増が見込まれるなど、現在のモンゴルはまさに40~50年前の高度経済成長時代の日本に近いステージにあると言えます。

 さらに国民の半数が25歳以下という非常に若い国で、企業や政府などの各ポストのキーマンも30~40代が中心です。そのような若手が「自分たちがこの国をつくっていく」という気概にあふれ、国全体が活気づいていることが肌身に感じられます。

 日本の内向き志向と言われる若手ビジネスマンも一度モンゴルに行かれると刺激を受けるのではないでしょうか。実際日本人の若手事業家でたくましくビジネス展開している方々もいて、エネルギッシュに活躍しています。

 なぜモンゴルなのか、6つの理由

モンゴル市内の様子(筆者撮影、以下同)

 さて、改めてビジネスの観点でモンゴルの魅力について6点ほど挙げてみたいと思います。

(1)経済成長の高いポテンシャル

 先述しましたが、モンゴルの経済成長率は世界でも屈指です。アジア開発銀行の最新の予想では、2012年が15%、2013年が17.5%の成長とあります。

 モンゴル国家発展改革委員会によると、今後4年間でGDPが3倍、2桁成長が10年間は続くだろうと予想しています。